行革の理解は行革の歴史の理解から
行政経営論の講義で毎年行政事業レビューをニコニコ動画で1事業分視聴する、という課題を出しているのだけど、政府の告知がいつも直前に突然出てくるので、対応する授業回がいつも直前に入れ替えになる。
とりあえず、NPMや行政改革の歴史をざっくり学び、行政評価シートについても最低限学んだ状態まで持ってくることにしているのだけれど、今年はロジックモデルまで到達!
私の出版社時代はまさに行政改革会議から独立行政法人制度の構築などの時代で、関係する出版に携わったことから、資料を読んでいると本当に懐かしいです。
もうNPMの時代ではない、とか、したり顔(←どんな顔なんだろう)で言う人がいますが、サッチャーやレーガンの時代(あるいは戦後コンセンサスの時代)のことまで遡ると見えてくるものがあります。
ちなみに、昨年の受講生に「一回やったよね」と問うも皆、首をひねるばかり。まあ、またやればいいんですけどね。
EBPMが大事とか言うだけでは結局なんだっんだ、ということになります。
政府の政策決定プロセスにロジックモデルが組み込まれた理由、その機能、EBPMとの関係、ストロングポイントをじっくりと説明しました。また、アウトプットとアウトカムのところで、「実際のところ、アウトカムのところに平気でアウトプットを書くなんてこともあるよ」と実例を示したり、昨年の秋のレビューの資料から行政評価シートについても皆で読み込みました。
ちなみに、ロジックモデルについては有名な資料がリンク先にあるので、ぜひご覧ください。
また、行政事業レビューのサイトもリンクしておきます。2023年度は11月11-12日です。
一方で、実際の評価者はそういうものを無視して自由奔放にコメントするので、学生は今年も混乱するだろうなあwww
学生の引率で広島市豪雨災害伝承館へ
埼玉県議会「虐待禁止条例改正案」取り下げとまん延するパターナリズム
埼玉県議会「虐待禁止条例改正案」は取り下げとなりました。
自民案に対する県民会議の対案を井上県議が説明しているのでリンク先をご覧ください。
県民会議の修正案は非常にリーズナブルな着地点を示しています。自民党県議団が撤回したことで議論はいったんスタートに戻るようですが、ぜひ、この件に関心を持った方々にはご一読いただければと思います。
なお、今回の議論を通じて感じるのは、提案者とその周辺の方々にまん延するパターナリズムです。
パターナリズムを説明することは私の専門分野とはやや離れているので、AI(ChatGPT)に生成させたものを手直しして下記に示しておきます。
議論の結論が正しくても正しくなくても、パターナリズムが政治の場で発揮されると、そこに問題が生じます。だからこそ、意見募集や意見募集への対応、熟議などが求められるのです。
「パターナリズムとは、強い立場にある者が、弱い立場にある者の利益のためだとして、本人の意思を問わず介入・干渉・支援すること。パターナリズムの問題点としては、以下が挙げられる。
・強い立場にある者が、弱い立場にある者の意思を無視することで、自己決定権を奪うことがある。
・強い立場にある者が、弱い立場にある者に対して、自分たちが正しいと思うことを押し付けることがある。
・強い立場にある者が、弱い立場にある者に対して、自分たちが正しいと思うことを押し付けることで、弱い立場にある者の自己決定権を奪うことがある。」
パターナリズムは医療や介護の場でもしばしば問題になります。
論文「義務教育におけるWeb 会議システム 、メタバースを活用した不登校児童生徒支援の現在地」
これまで、論文は学会誌や雑誌に寄稿してきましたが、生まれて初めて学内研究紀要に寄稿させていただきました。よろしければこのリンク先からダウンロードしてご笑覧ください。
ちなみに、メタバース等を活用した不登校児童生徒対応は、今後、全国に展開されていく中で、数百ある教育支援センター未設置の自治体でもサービス提供が可能になります。
「義務教育におけるWeb 会議システム 、メタバースを活用した不登校児童生徒支援の現在地 ―熊本市 、埼玉県戸田市 、東京都 新宿区を事例として」です。取材でお世話になった方々、コントリビューターの労をとっていただいた清野先生にあらためて感謝申し上げます。
高卒/短大・専門卒から直接大学院で学ぶ方法~私が議員の学びに大学院をお勧めしている理由
以前、ある議員さんに最終学歴について相談されたことがありました。
その方はご家庭の事情で最終学歴は高校卒業。ただし、社会での実務経験が豊富で、さらには十分に勉強されている方です。
私からのアドバイスは「大学院の修士課程か専門職課程に行かれたらどうですか」。
ご本人は「えっ」と絶句されましたが、実は高卒、短大卒、専門卒からいきなり大学院に行く方法があります。
それは「入学資格審査」という事前審査です。大学院で勉強しうる学力がある、ということを大学の指定の様式で自ら立証する、というのが審査の中身です。
めちゃくちゃビビる人が多いと思うのですが、ある大学院の場合は下記の内容です。
もちろん、何でも書けばいい、というものではありませんが、そこは説明会などで大学側と相談しながら「自分にはそれを満たせるだろうか」ということを確認して進めればいいと思います。
ちなみに、手数料は入学試験の考査料と同じぐらい取られます。
なぜ大学院なのか、というと社会人、特に議員の学びに向いているからです。学部は座学が中心ですが、大学院は座学も少人数で疑問点を解決しながら学べますし、ゼミはまさに、自分が解決したい課題を自らの実務経験とからめながら論文を書くプロセスですから、仕事に直結します(もちろん、学びたいテーマがない議員さんなんてありえないですよね)。
何より、通学日数も課程の年限も学部より少ないので、実は学部よりも柔軟に学べるのです。
学費も2年分ですから、お安く上がります。
もちろん、入試もありますし、語学は必須です。ただし、第一外国語だけ。しかも専門分野の英語だけで何とかなります。
ということで、議員さんのリスキリングには断然、修士課程なのです。
もちろん、学士課程を終えている方にもお勧めしています。
ちなみに、冒頭の話題のご本人はまだ実行しておられていませんが、踏ん切りがついたらいつでも、というのも社会人の学びの良いところです。
「【記述内容】
あなたが「大学を卒業した者と同等以上の学力があると考える理由」を、これまでの職業経験、学習歴、社会活動、免許・資格、受賞歴、研究歴など具体的な根拠をもとに、1,200 字~2,000 字程度で記述してください。
【様式】
手書き、ワープロ使用のいずれでも可。本要項 p.5 の指定表紙を添付(ホチキス留め)すること。
・手書きの場合:400 字詰め原稿用紙 3~5 枚、縦書き
・ワープロの場合:任意の A4 判用紙(文字サイズ10.5pt、1 行 40 字×30 行)1~2 枚、横書き
※いずれも本文のみの枚数 」