前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト -464ページ目

JR西日本のボーリング大会決行は組織の仕組みに問題

JR西社員が事故の日にボーリング大会をして最後は3次会まで行っていた、という報道があり、袋叩きになっています。この判断がまずいのは当然なのですが、私は組織の危機管理体制を見直すいいきっかけになると思います。


①誰が判断したのか

やっていいとはっきり判断した人はいないと思います。キャンセルも面倒だし、連絡も大変だから、こっそりやってしまおう、その程度の話だと思います。事故車両にいた運転士がそのまま出勤してしまったことも同じなのですが、現場で決めてしまったこと、それが問題だと思うのです。


②政治的判断は上層部の仕事

大事故や大事件の後の微妙な時期にはイベント一つやるにも配慮が必要です。しっかり配慮すること、配慮を世間にアピールすることは組織全体の問題です。現場での判断は無理です。テレビなどのマスコミや市民が注視している中のことです。多分に政治的な判断になりますから、政治的な判断のできる層、つまり経営陣が責任を持つべきなんです。


③リスク感覚があるのか

企業には現在、リスク管理が問われています。そして、そこで大切なのはリスクについてしっかりと整理し、重大な問題については経営者が把握し、責任を取れる体制を作ることです。ボーリングの件は、自主的にやめる判断もあったと思いますが。経営者に報告があるべきでした。そういう判断を求めるしくみがあれば、現場から立ち去った運転士の件も含めて、ここまでJRが叩かれることはなかったと思います。経営者も、自分が知らないことにまで頭を下げて、その上、クビを切られるというリスクは避けられます。


④全ての組織は内部管理体制の点検を

全ての組織は内部管理体制について、責任と判断という視点で見直しが必要です。人が新卒入社時に必ず上司に言われる、「ホウレンソウ」(報告、連絡、相談)に立ち返ることが経営者にも現場にも求められています。

これは会社だけじゃないですね。学校とか役所とかPTAとか全ての組織に当てはまります。

他人の判断で責任を取らされない仕組みには、合理性があると思います。

こどもの日

子供に、「なんで女の子の日はあるのに、男の子はこどもの日しかないの?」と聞かれました。

子供に聞かれて「法律に書いてあるんだよ」とその場をごまかしました。そして、後でほんの少し調べて子供に説明しました。


もともとは端午の節句と桃の節句なのですが、現在のようになったのは当然のことながら終戦後だそうです。日にちは江戸時代に定着したそうです。国民調査を行い、3月3日は女の子の節句、5月5日は男の子の節句として祝日にするという動きもあったものの、最終的には男女に関係なく、5月5日を「こどもの日」として祝日とすることになったとのことです。(ヤフーキッズなどを参照しました)。

ちなみに、韓国も同じ日がこどもの日だそうです。

なお、菖蒲が尚武とかいろいろとあったのですが、省きます。


いずれ国会の審議経緯についても調べたいところですが、いつになることやら。

林道義『主婦の復権』

まじめなまじめな心理学者だった林教授。

『父性の復権』(中公新書)という衝撃的なこの著作で、フェミニズム、ジェンダーフリー思想と対決する闘士として生まれ変わりました。本書はその続編です。

主婦とは最も人間的な、進化した社会的な仕組みだ、というのがこの本の中心思想です。

そして、フェミニスト、「ジェンダーフリー」論者の変な論理に対して丁寧に反論していきます。いかに変かは本書を読めば納得できます。また、性的役割分担についての考察が厚いのも職業柄、なかなか役立ちます。

特に共感できたのは、男と女は後天的な(教育などにより得る)差異を取り除いてもかなり違う存在なんだよ、というところです。

違う存在だからこそ、「つがい」となって生きていくんですよね。両性は本質的に平等だけれども、同じような存在である必要はないと思います。でないと、異性を異性としてとらえる意味がないです。

本書では、情緒的な話もかなり織り込まれているのですが、フェミニストの学問的な浅さを突く、その鋭さはさすが「まじめな研究者」です。

私は日本のマルクス主義者、フェミニスト(両者には共通項が多い)には胡散臭さを感じています。本書を読んで、その感を強めるのですが、著者が論理的になったり、感情が前面に出たりという振幅がかなりある本なので、読み終えた感想はなかなか複雑です。非常に誠実で日本の将来を憂慮している立派な人」だが、フェミニストにからかわれてしまう、「隙」みたいなものが見て取れます。なにしろ、相手は斜に構えた人々です。

また、私が強く感じたのは情緒的に以下と同じような内容を語ってはいるのですが、本書に決定的に足りないものがあるということです。民主主義とは自分の自由のために相手の自由を認める我慢のプロセスであり、フェミニストにはその我慢を甘受しようという考えがないという指摘であり、批判であると思います。

ちなみに、民主主義の自由社会において、最も問題となるのは私人間の調整であると思います。林教授の根本には、現在ある家庭という社会機構はそれなりにいいものなんだよ、古いと攻撃してつぶされてしまってはかなわない、という良い意味での保守性が感じられます。

また、まじめに物事に取り組むことの清らかさ,さわやかさを私は林教授の活動から感じています。日本にはふまじめな、嘲笑的な人が多すぎます。

硫酸ピッチ問題で県庁から返事

4月1日にこのブログで取り上げた硫酸ピッチ問題で埼玉県の上田清司知事にメールをお送りしたのですが、返事が届きました。
中身は県議会での小林県議への答弁と同じです。
ただ、知事さんがこの問題について頭の片隅に常に置いておいてくれると嬉しいな、という意味ではメールを送った意味があるのかな、と感じています。
「私あてにメールをお寄せいただき、ありがとうございました。
 軽油引取税につきましては、最終消費者に税を負担していただくことを前提に、元売業者や特約業者を特別徴収義務者に指定して徴収しているところであります。
 平成16年6月県会で、小林県議へ答弁しましたとおり、軽油の取引が県域を越えて広域的になされている中、特別徴収義務者の指定の仕組みや税率、課税免除の対象など、実質的に全国一律の制度になっていると考えられます。 
また、一地方公共団体が特定の税率などを改正して、他の地方公共団体に累を及ぼしてはならないという地方財政法上の規定がありますので、埼玉県だけが軽油引取税の税率を引き下げることは、難しい状況です。
 なお、埼玉県でも、不正軽油を摘発するため、路上抜取調査や、軽油の貯蔵タンクを有する運送業者などに対する抜取調査を実施しております。また、硫酸ピッチの不法投棄なども、環境に重大な影響を及ぼしておりまして、厳正に対処すべき社会的問題だと認識しております。 
 今後とも、調査体制の充実強化を図り、他の都道府県との連携を密にしながら不正軽油の撲滅に向け、断固たる姿勢で取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。

  松 本 武 洋  様

                 埼玉県知事 上田清司」
知事さんへの期待が大きすぎてなかなか消化し切れていないのでは、という危惧があるのですが、基本的に精力善用の人と信じて応援しています。

メーデーの思い出

①ビール片手でメーデーに

最近、イマイチ話題にもならないメーデーですが、私も大昔は会社(出版社の労組は左寄りなんです。共産系)の労組に動員されて出ていました。会社は出席扱いです。留守番は管理職。この日の管理職はアルバイトとともに、電話番に大忙しです。

集合場所(へんな音楽がかかっています)に行き、点呼され、主催者の指示でぞろぞろと歩き始めます。

恥ずかしいし素面じゃ叫べないので多くはビール片手です。歩いているうちに既に泥酔し、蛇行する者も出てきます。


②昼間っから大宴会

散々歩いて、叫んで、へとへとになったら、単組(各社の組合)ごとに組合費(自分が払った組合費ですよ)で昼間っから宴会です。

覚えているのは集合場所が(例の変な音楽。共産党系の恥ずかしい歌。ほら、歌声運動ってあったでしょう)異常にうるさかったこと、活動家のアジテーションが時代遅れに聞こえたこと、組合費を取り返そう、としこたま飲んで酔っ払ったことなどです。午後早くから8時、9時まで続くんですが、最後のカラオケでは複数の単組幹部が寝ています。歩いて疲れたんでしょう。


③変化がないと感じます

労組と経営者の関係は今も昔も弱者と強者なのですが、弱者に変化がないなあ、と今、冷静に感じます。

いまどきメーデーで気勢を上げても、盛り上がりに欠けているし、経営者も慣れていますから。

法的にどうなのか検証していない冗談ですが、組合が自社株を大量買いして、業績的に駄目な経営者は更迭、というのがインパクトとしては大きいでしょうね。

ただ、組合費はリスクマネーではないので、コンセンサスを得るのは難しいでしょうが。

とにかく、このままでは埒が明かないですね。方向性としてはアメリカのような産業別の大規模労組を作るとか、ドイツのような方向を目指すとか。このままじゃ絶対にだめで、やはり、連合なり何なりが、脱皮のデザインを描いていく必要があります。

難しいとは分かっていますが。


④このまま下火になるのは寂しいですね

客観的に盛り上がらないのが現状のメーデー、キューバのカストロを呼ぶ(生きてましたっけ?)とか、ミーハー的な客寄せもすべきだし、お金はあるのだから、一流のコンサルや広告代理店と戦略を立て直すことも考えて欲しいです。
昼間、共産党の議員さんに「地味なお祭り化している」と言ったら叱られました(でもさ、事実を言われたから起こるんだと思いますよ)が、まじめなだけではもたないですね。

『自動車絶望工場』(鎌田慧)の時代は過去のものとなりましたが、今も働く人々への不当な圧力はいくらでもあります。むしろ強くなっている。労働者の権利の底上げはやはり大切ですから、もっと頭とカネを使って盛り上げるべです。