合理的無知と埼玉県知事選の過去最低投票率23.76%~イリア・ソミン教授の議論から | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

合理的無知と埼玉県知事選の過去最低投票率23.76%~イリア・ソミン教授の議論から

昨日の埼玉県知事選の投票率は知事選としては過去最低の23.76%と報道された。
これを上手く説明する理屈としてアメリカの法学者イリア・ソミン(ジョージメイソン大学法学部教授)らの「合理的無知」がある。
彼らは民主主義がうまく機能するためには合理的な無知が大きな問題であり、「市民が公共政策について情報を得るコストが、そのような知識から得られる潜在的な利益よりも高い場合、市民にとって合理的な行動は、そのような情報の取得に投資せず、無知のままでいることだ。残念ながら、投票であれ、議会の招集であれ、ツイートであれ、個人の行動が特定の政策の結果に決定的な影響を与える可能性はほぼゼロである。したがって、国民は合理的に無知であることを選択する。
政府データへのアクセスが強化されると、情報の非対称性が解消され、利益が集中してコストが分散されるという力関係が弱まる可能性がある。(機械翻訳を松本が修正)」*としている。
逆に言うと、自分たちの意思表明や投票が結果を動かせる、という確信があれば、合理的選択として、そのような行動を起こすことも考えられる。
ガチガチの政党選挙では、その後の県政の方向性もある程度見える。となると、合理的選択として県民は選挙に行かない。それで良いかは知らないが、少なくとも有権者は「選挙を見ている」のである。
* Somin, Ilya “Transparency and Political Ignorance”.

https://volokh.com/.../transparency-and-political-ignorance/