偶然、侮り難し | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

偶然、侮り難し

キャリア論の世界では、人生における様々な場面での選択や変化については、偶然の要素が大きいということがよく言われる。ここ2年、1年生のキャリア形成論と言う講義を受け持つ中で、友人関係にもこれは言えるなとあらためて感じている。座席指定をせずに座席に座ってもらい、様々な提出物を集めると、当然のことながら、隣同士で座った学生のペーパーは連続して提出されるわけで、それを改めて整理していると、最初に学生たちが集まった時に、座った隣同士や近い席同士が友人関係を形成するひとつの大きな要因になっていることがよくわかる。
これは、上級生においても連続していて、最初に座った座席というものが、友人関係を形成する際の1つの要因として少なからぬ影響を与えていることを痛感する。
倫理審査が面倒そうだからやらないが、ちゃんと研究しても、そのような結果になることは明白だろう。
自分の人生を振り返ってみても、たまたま近くに座った仲間と意気投合し、交友関係が続いていくということは珍しくない。もしかしたら、別の座席設定になっていれば、他の友人関係ができたのかもしれない。
もちろん、最初会ったときの座席が全てではなく、その他の要素も多々あるわけだが、提出物を整理していると「最初に座った座席と言うのはでかいなぁ」と改めて感じるわけである。
それがどうした、と言われかねないが、実はこの話はこれで終わりである。
キャリアも偶然、友人関係も偶然、となると、実は巡り合わせというものの要素が人生では大きいと言うことを痛感する。
以前、ラリイ・ニーヴンの大昔の小説(たしか『リングワールド』だったかと)で、宝くじに当たった人など、ツイている人だけを集めた探検隊の話があったが、改めてあれはすごい発想だなぁなんてことも思うわけである。
偶然、侮り難し。

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