ラーメンを食べるときに原価を考える人、考えない人 | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

ラーメンを食べるときに原価を考える人、考えない人

原価と利益の話を学生にした際に、よく飲食店の原価率は3割だと言われる、という話とともに、あなたはラーメンにいくらまでなら出しますか?と問いました(手を挙げない人もあり)。

①普通のラーメン
500円まで 5人
501-1000円 35人
1001- 0
1501- 0

②豪華食材入りではないが超絶美味しいラーメン
500円まで 1人
501-1000 17人
1001-1500 18人
1501- 0

超絶美味しくても1000円までが半分、というのは渋いですが、1000円超を出してもいい、という人が半分います。

次に、皆さんはラーメンを食べるときに原価を考えますか?と問いました。
具体的には、麺がいくら、具材がいくら、スープがいくら、という積み上げで値段の妥当性を考えて店を選びますか?と問いました。

原価を考える、という学生はゼロでした。つまり、美味しいラーメンを食べながら原価を考える人は特殊で、商売的にはあまり考慮しなくてもいいのではないか、という仮説が成り立つよね、とと言うと皆「コクリ」と頷きました。
ちなみに、私は原価では判断しませんが、原価は常に考えてみる人種です。

さて、1000円超のラーメンは特別なラーメンならマーケットは小さくなるものの実現可能だ、ということは学生のアンケートでわかりましたので、雑ではありますが、1000円超のラーメンは商売の可能性として「アリ」という仮説も成り立ちます。

すると、いくら原価が安くても、超絶美味しいラーメンなら1000円超もらえる可能性があるよね、と問いました。
反対者はいませんでした。

そこで、原価が安い1000円超のラーメンを限られたマーケットを対象に売る、というビジネスの良い点ってある?
と問うたのですが、皆首をかしげてしまいました。

そこで、時間もないので「仮に原価率3割が基本だと話したけれど、原価率15%でラーメンを出したら、基本的に店の粗利が増えるよね、そうすれば店主の考え方次第だけれど、①店主の儲けか②従業員の時給が増やせるよね」と話しました。

安くてよいものを売る、というのが美徳のように思う日本人が多いけど、食べない自由もあるわけだし、1000円超のラーメンって悪くないよね、という話でその場は締めました。

安くて良いもの、という日本人の呪縛を突き抜けることができる経営者から順に、デフレから離陸して行くんだろうなあ、とふと思いました。

 

ちなみに写真のラーメンは1150円の喜多方ラーメンです。