大阪の地盤沈下を感じたこの出来事/なぜかローカルニュースに終わっている大阪市役所ネタ | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

大阪の地盤沈下を感じたこの出来事/なぜかローカルニュースに終わっている大阪市役所ネタ


関西に用事で行ってきました。

関西では、連日新聞のトップ記事に大阪市役所の特殊勤務手当てなどの話題が取り上げられています。

昨年末に関西に行った時と同じような状態です。

大阪市役所の職員互助会のあきれた気前のよさ、そして、その構造を許してきた助役上がりの市長と労組との蜜月など、関西では常識で、新聞を読むだけでこと細かく内容が分かります。しかし、関西の人々には意外だと思うのですが、天下の大阪市役所の大事件と言うべきこのネタが、東日本ではそれほど取り上げられていないのです。これは、年末も年度の替わった今も同じです。

大新聞の東京本社と双璧の大阪本社、そう、関西の人々は固く信じているのですが、大阪の大事件はローカルニュースでしかないのです。関西出身の私としてはショックですが。

ここ数日、東京の新聞は竹島、中国の日本商品ボイコット、その引き金となった教科書問題などをトップにすえています。昔、煙の都と呼ばれ、商工業のもう一つの首都だった大阪、そして関西の地盤沈下振りをよく表していると思いませんか。

また、もう一つ、大阪市役所は今回の話題のなかで、横浜市役所としばしば比較されています。人口が三分の二で職員数が五割増し、というものです。

大阪のライバルは横浜であり、名古屋であるのが現実なのかもしれません。

ただ、職員の厚遇問題については程度の差こそあれ、関東も同じです。一人雇うと三億円弱、それが公務員雇用の実態です。そして、この三億円はほぼ固定額です。

絶対に保証された三億円は、失業リスク込みの生涯年収三億円より価値が大きい、オプション理論を応用すればそんなことは当たり前だと気づきます。この三億円が高いか安いか、安くはないと思います。

ただ、公務員の給与が安ければそれでいいのかというと、やはり公の仕事に就く人はある程度優秀であって欲しい、という考え方も説得力があります。となれば、やはりポイントは公務員の給与を下げること以上に公務員のやる仕事を厳選し、官僚組織を縮小することにより公務員を減らす、ということに収斂されると思います。そして残った公務員の処遇を金額的に大幅に下げることは考えにくいと思います。

今回の大阪の問題を今まで同様、一時のものに終わらせるか、それとも役所の縮小につなげるのか、そういう視点が報道には求められると思います。現在の報道は、これまでの単なる公務員たたきの延長でしかなく、そこが私には残念です。

実態が公金の使われ方として妥当なのか、また、特殊勤務手当てなどの表に出なかった部分も含めた公務員のコストはいくらなのか、それは妥当なのか、また、そのコストの公務員を今の数雇う必然性はあるのか、政府はもっと小さくていいのではないか、そのようなことをマスコミが率先して市民に知らせ、呼びかける必要があると思います。それでこそ、「知る権利」を振りかざす権利があるというものです。

それとも、記者クラブの電話代や電気代を請求されたくないから黙っている?

追記:大阪市役所は職員数を減らすために、採用停止を打ち出しました。愚かなことです。採用停止は組織の構成をゆがめ、問題を引き起こします。採用数の絞込みと、退職者募集で対応すべきであると信じています。